一般的にイギリスの食事はまずいと言われていますよね。
私が大学職員として働いていた頃、学生からイギリスの食事はまずいんですかという質問をよく受けました。
イギリス留学帰国後も、友人や知り合いから、イギリスの食事はまずかったでしょ?とよく聞かれたので、やはりイギリスの食事はまずいと言うイメージがあるようです。
確かに、ヨーロッパでも、フランスやイタリアなどの美食大国と比べると、イギリスの食事は劣ります。
ですが、まずいと言うのも違和感があります。
私は、イギリスには約1年間滞在し、6つの家庭でホームステイを経験し、イギリス人女性とルームシェアも経験しました。
その経験から、イギリスの食事は本当にまずいのか検証していきたいと思います。
イギリスの食事はまずいって本当?
結論から言うと、イギリスの食事はおいしいです。
私だけではなく、語学留学から帰国した学生全員が、思ったより食事が美味しかったと言っていたので、私だけの感想ではありません。
ものすごくグルメな人にとっては、美味しくないと思われるかもしれませんが(基本的に質素な料理が多いので)、まずいということはないと思います。
ちなみに、ドイツの食事は美味しくなかったです。
クリスマスに、ドイツ人の家庭に1週間滞在したのですが、とにかく食事がまずくて、苦労しました。(日本人なので、正直にまずいとは言えず、頑張って食べていました。)
スープは辛くて飲めないし、パスタはベトっとして水っぽく、ミートソースはレトルトのような味でした。
1週間の滞在なのに、肌はガサガサで、粉を吹いてしまったほどです。
その点、イギリスの食事は、シンプルな味付けだけどおいしいものが多かったです。
私がホームステイ先で食べていた食事は、焼いたお肉や魚に野菜(じゃがいも、にんじんグリンピースなど)を添えて、グレイビーソースをかけたものです。
グレイビーソースというのは、ローストやソテーなどを作った後の肉汁で作ったソースで、イギリス人はこのソースが大好きです。
グレイビーソースがおいしかったので、どうやって作ったのか聞いてみたところ、
インスタントのグレイビーソースの粉末に水を加え、鍋に入れて温める
と言うシンプルなものでした。
その他にもパスタや、フィッシュパイなども出てきました。
イギリスの食事はとにかくシンプルなものが多いです。
イギリスの伝統料理フィッシュアンドチップスも、白身魚のフライとフレンチフライの組み合わせというとてもシンプルなものですよね。
フィッシュアンドチップスもとても美味しかったです。(毎日食べるとなると脂っこいのできついですが・・・。)
なぜシンプルな料理が多いのか、ホストファミリーに聞いたところ、
「イギリスはパブの文化が根付いているので、料理は簡単に済ませて、食後にパブで家族や友達と語らうことを楽しむ」
からだそうです。
ですので、イギリス人にとって食事に時間をかけるよりも、友達や家族とパブで交流することの方が大切のようですね。
それにしても、なぜこれほどまでにイギリスの料理はまずいと言うイメージがあるのでしょうか?
私の留学経験の中で、イギリス料理がまずいと言われる理由について考えてみました。
イギリス料理がまずいと言われる理由は?
イギリス料理がまずいと言われる理由は、3つあります。
- イギリスの労働者階級の食事はまずかった。
- フランスやイタリアなどの美食大国比べるとイギリスの料理は劣る。
- パブの料理の種類が少ない。
1.イギリスの労働者階級の食事はまずかった。
イギリスには、上流、中流、労働者階級と言う3つの階級制度と言うのが今も存在します。
私がロンドンで、ひどいホームステイ先に当たった事があるのですが、1つ良かった点は、ロンドンの労働者階級の人々が暮らす生活を垣間見ることができたことです。
イギリスに来る前は、イギリスの良いところばかりを見ていて、実際のイギリス人が抱えている問題については全く知識がありませんでした。
こういった労働者階級の人々が住んでいる所では、庶民の一般的な食物としてうなぎがよく食べられていました。
日本ではうなぎと言えば高級な食べ物ですよね。
ですが、イギリスでは労働者階級の人々が、味よりも栄養をつけるために、食べていた庶民的な食べ物でした。
私がホストファミリーに連れて行ってもらったレストランで見た料理がうなぎゼリー。
ぶつ切りにしたゆでたうなぎに、塩味のゼリーで、味付けしたものです。
見るからに不味そうで、私は食べる気がしませんでした。
しかもこのうなぎは、テムズ川から取れたものだそうで、絶対泥臭いだろうなぁと思いながら見ていました。
こうした食べ物のイメージが今も根付いているために、イギリスの料理が不味いと言うイメージを持っているのかもしれません。
2.フランスやイタリアなどの美食大国比べるとイギリスの料理は劣る。
イギリスの南の方に行くと、フランスへは電車で1時間ほどで行けます。
私が大学で斡旋していたフォークストンという街から、フランスへは電車で1時間ほど行くことができます。
そうなるとやはり、イギリスとフランスの食事を比べてしまいますよね。
やはりフランスは美食大国とだけあって料理はとてもおいしいです。
牛肉の赤ワイン煮や白身魚のムニエル、シチューにクレープと、フランス料理は何を食べても本当においしいです。
またイタリアもパスタやピザ、ラザニア等の料理がおいしいですよね。
それに比べてイギリスの伝統料理は、フィッシュ&チップと、おいしいけれど、フランスとイタリアと比べると地味ですよね。
やはりこうした国と比べると、イギリス料理はまずいと言われてしまうのかもしれません。
3.パブの料理の種類が少ない。
イギリスに行ったらやはりパブには絶対行きたいですよね。観光客も必ずと言って良いほど、1度はパブに立ち寄るかと思います。
でも先ほどもお伝えしたように、イギリス人にとってパブは気のおけない友達や家族と語り合う場所です。
ですので、食事のメニューにはそんなに力を入れていません。
メニューは、フィッシュアンドチップスやチキンパイ、ハンバーガーなど、一見ファーストフードのようなものが多くあります。
観光客からすれば、せっかく観光しにロンドンに来たわけですから、ファーストフードのような料理ではなく、豪華な食事が食べたいのではないでしょうか。
そうなると、イギリス料理はファーストフードばかりで、美味しくないと観光客は思います。
それで帰国後に、イギリスの料理は美味しくないと、家族や友人に話してイギリス料理は美味しくないと言うイメージを持たれるのはないでしょうか。
まとめ
私は1年間イギリスの色々なところで、イギリス料理を食べましたが、イギリス料理はおいしいと思います。
たくさんの人から「イギリス料理はまずいでしょ?」と聞かれたので、残念ながら「イギリス料理はまずい」というイメージが定着しているようです。
まずいと言われるようになった理由を考えてみると、
- イギリスの労働者階級の食事はまずかった。
- フランスやイタリアなどの美食大国比べるとイギリスの料理は劣る。
- パブの料理の種類が少ない。
といったもので、そう言われると、なんだか納得してしまいます。
確かに、観光で「豪華なおいしい食事」を求めている場合、イギリスは向いていません。
ただ普段生活する上の食事は、普通に美味しいです。
もしあなたがこれから、イギリスに行く機会があるなら「イギリスの食事はまずい」という先入観を外して、行ってもらいたいな、と思います。