私はフィレンツェに三ヶ月間語学留学をした経験がありますが、住んでみて実際にスリは多かったと感じています。
私自身、フィレンツェで一度、旅行先のローマで一度、目の前で、スリを見たことがあります。
しかもフィレンツェでは、目の前で友達の財布が盗まれたのに、私も盗まれた友達自身も気づかないという、ショッキングな出来事も。
けれど、目の前で見たからこそ、スリがどういう人を狙っているのかなどを、知ることができました。
これからイタリア旅行に行く予定のあなたは、不安に感じるかもしれませんが、事前に対策をしていれば、ほとんどの場合、スリを防げます。
実際に私は六カ国に留学し、スリや泥棒は何人も見ましたが、私自身は一度もスリに遭いませんでした。
今回は実際にイタリアでスリを見た私が、スリの対策についてお話したいと思います。
イタリア旅行のスリ対策のアイデア!実際に見た私がお伝えできること
それでは、まず簡単に、私が見たイタリアのスリの特徴をお伝えしたいと思います。
イタリアのスリの特徴とは?
イタリアのスリの特徴は、一人でスるのではなく、集団で行っている場合が多いです。
実際に私が見た二件とも、集団での犯行でした。
外見的な特徴は、ジプシーやジプシーの子供、物乞いなど、いかにもスリをしそうな集団もいれば、一般人と変わらないくらい小綺麗なスリもいます。
そして、ほとんどの場合、スリをしているのは、イタリア人以外の外国人だということ。
私は、ヨーロッパでは、イタリア、イギリス、ドイツ、オランダに留学をした経験があるのですが、そうした国々でも、スリや置き引きはほとんど他国から来た外国人でした。
そして、その中でも、特にイタリアはスリや置き引きが多かったように感じます。
理由は、イタリアはこうした先進国の中でも、特に観光業が盛んで、そうした観光客を狙った外国人スリ集団が多数存在しているからだと思います。
私が目の前で見たスリも、イタリア語に訛りがあったので、おそらく東欧から来た外国人だったと思います。
とは言っても、全てのスリが私のように、目の前で見れるものではなく、背後から財布をスられたり、手荷物から少し目を話した隙に盗まれることもあると思います。
そうしたことにも備えて、スリを目の前にしても被害に遭わなかった私が、スリを防ぐ対策を7つご紹介しましょう。
スリ対策のアイデア七つ
1.口の開いたままのカバンは持たない
日本ではよく見かける光景ですが、イタリアで口の開いたままのカバンを持っていると、スリの格好のターゲットになってしまいます。
しっかりファスナーをしていても、開けられる可能性があるので、ショルダーバッグなどを持つ場合は、は体の前に抱えるようにして持ちましょう。
私は、スリが多いと聞いている国に行く時は、分厚目のA4サイズの斜め掛けバッグを持って行き、財布はバッグの中の内側のポケットに入れています。
小さめのバッグだと、貴重品が入っていることがスリにバレるかもしれないので、大きめのバッグに入れています。
また、分厚めのカバンの内側のポケットに財布を入れていた理由は、ナイフでカバンを切って、財布を盗む悪質なケースもあると聞いていたからです。
ここまで奥に財布を入れていたら、たとえ切られても盗めないだろうと。
その上で、ファスナーをきちんと締めて、電車やバスに乗るときは、立つ時も座る時もカバンをしっかり前に持っていました。
相手はプロですから、狙いやすい人を見ています。
常に狙われているという意識を持って、行動するようにしましょう。
2.貴重品は必ず手荷物に入れ、手元に置いておく
貴重品はスーツケースやポケットに入れたりせず、必ず手荷物に入れるようにしましょう。
またレストランで、席にカバンを置きっぱなしにしている人がいますが、イタリアでこれをすると、カバンごと持って行かれます。
ビュッフェでお代わりを取りに行く時なども、必ずカバンも一緒に持って行きましょう。
カバンがなくなるより、席がなくなっている方がよほど気持ちがラクですよ。
3.リュックサックはできれば避けるか、前で持つ
リュックサックは両手が空くので便利なのですが、イタリアでは避けた方が良いです。
背面は見えないので、スリに狙われる可能性が高くなるからです。
実際に、ファスナーを開けられて財布が盗まれたという話も聞いたことがあります。
ですので、できればリュックサックは避けた方が良いですが、どうしても使いたい場合は、体の前で持つようにしましょう。
4.高価な服を着ない
ブランド物の服や高価な服を着ていると、お金持ちだと思われ、スリに狙われる確率が高くなります。
また、ブランド品を買った後に、ショッピングバッグを持ったままウロウロするのも避けた方が良いです。
両手がふさがっていると、カバンを手前に持つことも難しくなります。
買い物した後は、一旦荷物をホテルに持って帰って、スーツケースに入れてから観光に出かけましょう。
スーツケースの中に入れるのは、ハウスキーパーに盗られることを防ぐためです。
「えっハウスキーパーが盗るの?」
と思われるかもしれませんが、イタリアではあり得るんです。(私もイタリアに留学して、初めて知ったことですが)
ただでさえ日本人は「お金持ち」というイメージが強いのに、高価な服を着ると、さらにお金持ちだというイメージを持たれてしまいます。
お洒落な国イタリアでは、どうしてもお洒落をしたくなりますが、ここはグッとこらえて高価な服は着ないようにしましょう。
5.大金は持ち歩かない
できれば、大金は持ち歩かないでおきましょう。
どうしても大金が必要な場合は、国際キャッシュカードを作って、現地のATMで引き出すか、お金を分散して持ちましょう。
現地のATMも、路上にあるものより、銀行内にあるATMを使った方が良いです。
スリがお金を引き出す所を見ている可能性もありますので。
お金を取り出したら、すぐに財布に入れて周りに見えないようすると、より良いです。
6.人気の少ない路地や夜間に歩かない
イタリアに限らず、海外では人気の少ない路地や、夜間に歩かない方が良いです。
そういった所では、ナイフで脅され、カバンを奪うなど悪質なケースも発生します。
イタリアでは、バーやディスコなど遊び場所もたくさんあるので、夜遊びしたくなる気持ちもわかります。
が、安全の為にもできるだけ夜間に歩くことは避けましょう。
7.人が話しかけてきたら警戒する
私が見たフィレンツェとローマで見たスリは、どちらもターゲットに話しかけていました。
ローマで見たスリは、何を言っているかまでは聞き取れなかったのですが、おそらくお金を恵んでくれるように頼んでいたのだと思います。
そうして、ターゲットの気を逸らして、盗むというのが彼らのやり方です。
カメラを撮ってほしい、道を教えてほしい(何で日本人に聞いてくるねん?と思いましたが(笑))と言って、気を逸らして盗むケースもあります。
私自身も親切にしたい気持ちはありますが、何かあると怖いので、そういったことを聞かれたら丁寧にお断りしています。
イタリアでは男性がナンパ目的で話しかけてくることも多いですが、それだって警戒するにこしたことはないですよね。
ですので、人が話しかけていたら警戒するくらいの気持ちの方が、スリには遭いにくいですよ。
それでは続いて、冒頭でお話をした、フィレンツェとローマで実際に見たスリについて、お話しましょう!
フィレンツェで見たスリ
それは、フィレンツェから、ルッカという漫画祭で有名な町へ向かう電車の中で起こりました。
私と友達は、四人掛けの席で、進行方向に向かって2人で座っていました。
電車が出発して十分くらい経った頃でしょうか。
ちょっと目の虚ろな十代後半くらいの青年が、近づいてきて、ポンっと友達の膝の上に、何か書かれた紙を置いてきたんです。
紙にはイタリア語で何か書かれており、私はイタリア語を勉強中だったので、
「何が書かれているんだろう?きっとお金を恵んでくれと書いてるのかな?」
とその紙を凝視していました。
彼はずっとイタリア語で、お金をくれと言い続けていたので、私達は、NO!と断っていました。
そうすると、彼は紙を取り上げて、そのまま去っていきました。
フィレンツェでは、物乞いの人がたくさんいたので、私達はそういった人に慣れており、彼もきっと物乞いだと思い込んでいました。
が、五分ほど経ったころ、バッグの中を探っていた友達が、
「財布がないっ!!!」
と、すごく焦った様子で言ってきたのです。
私はきっとカバンの奥にでも紛れ込んだいるのだろうと思い、よく探してみるよう言いました。
が、財布はなくなってしまっていたのです。
切符を買った時点では財布はあったので、さっきの青年が盗ったとしか考えられません。
すると、また違う青年が現れて、「トイレに置いてあった」と彼女の身分証を返しにきました。
とりあえず身分証が帰ってきて、友達はホッとしていましたが、彼はニタニタしていたのでおそらくグルだったのでしょう。
それにしても、最初に出会った青年が盗んだとしたなら、そのワザは、プロです。
二人とも紙を凝視しているのに、紙が動く気配もなく、その下から手を入れて財布を盗んだのですから。
その間わずか20秒ほど。
まさかあの紙を見ている間に、財布が盗まれているなんて夢にも思いませんでした。
幸い友達は50ユーロを盗られただけで済みましたが、もし私の財布が盗まれていたら、クレジットカードも入っていたので、危なかったと思います。
それでは、次にローマで見たスリについてお話しましょう。
ローマで見たスリ
ローマでは、トレビの泉前で、日本人観光客がスリに財布を盗られそうになる所を見ました。
私は一人旅でローマに来ていたのですが、通りすがりにたくさんの日本人観光客と出会いました。
なんだか日本人に出会えて嬉しくなり、しばらく見ていると、2人で歩いていた日本人女性に、現地の子供たちが群がっているのが見えました。
そうすると、物乞いの女性が1人の女性に近づき、カバンの中に手を入れようとしたのです。
私は「危ないっ!」と思い、思わず走り寄りそうになったのですが、幸い、もう1人の女性が、カバンに手を入れようとしていたことに、気づいて慌てて払いのけていました。
が、被害に遭いかけた女性は子供達に気をとられていて、全くスリに気づいていませんでした。
私も盗られなくて良かったと安心しましたが、それにしても子供を使ってスリをするのは聞いていた手口ではありますが、堂々としたものだなと驚きました。
払いのけられた後も逃げるわけではなく、歩いて移動していましたし。
こうして、目の前でスリを見て気づいたことは、スリは盗めそうな人を常に狙っているということです。
スリの立場に立ってみれば、警戒している人を狙うより、無防備な人を狙う方がはるかにラクですから。
幸か不幸か私はとても怖がりなので、スリに絶対狙われないよう万全の対策をしていました。
そのおかげか、イタリア以外にも、スペイン、フランス、イギリスと比較的スリの多い地域に旅行に行きましたが、1度もスリの被害にあっていません。
7つのスリ対策のアイデアをご紹介しましたが、共通しているのは、「絶対にスリの被害に遭わない」という意識です。
どうしても安全な国、日本で育った私達は、他国よりもスリに対する意識が低くなりがちです。
日本では、大丈夫なことでも、旅行先はイタリアです。
日本での感覚は忘れて、常に細心の注意を払いましょう。
それでは最後に、イタリアのスリの対策と手口について、まとめておきましょう。
まとめ
スリを防ぐ対策七つ
- 口を開けたままカバンは持たない・・・ファスナーを閉めて、カバンは体の前に持つ
- 貴重品は必ず手荷物に入れ、手元に置いておく・・・貴重品はスーツケースやポケットに入れず、手荷物に入れる
- リュックサックはできれば避けるか、前で持つ・・・特に背面は狙われやすい
- 高価な服を着ない・・・ブランド物や高価な服は着ない
- 大金は持ち歩かない・・・国際カードキャッシュカードを持つか、お金を分散して持つ
- 人気の少ない路地や夜間に歩かない・・・夜間はナイフで脅すなど悪質なケースも発生
- 人が話しかけてきたら警戒する・・・ターゲットの気を逸らして、盗むケースが多い
私がイタリアで実際に見たスリの手口
- フィレンツェで見たスリ・・・電車内で、ターゲットの膝の上に文字が書かれた紙を置き、紙の下からカバンの中に手をいれ、財布を盗む
- ローマで見たスリ・・・現地の子供たちがターゲットに群がり、ターゲットの気を逸らしている間に、物乞いの女性がカバンの中に手を入れようとする
イタリアはスリこそ多いものの、食べ物は美味しいし、美しい建築物もたくさんあるし、観光するには素晴らしい国です。
せっかくの楽しい旅行を台無しにしない為にも、万全の対策をして楽しい時間を過ごしましょう!