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「交換留学をしてみたいけど、システムがよく分からない」
という方も多いのではないでしょうか?
交換留学とは、日本の大学に在学しながら、海外の協定大学に半年もしくは1年間留学をするプログラムです。
また、交換留学先で修得した単位が、日本の大学の単位と認められる単位認定制度もあります。
パッと聞くと、メリットだらけのような気もしますが、注意しなければいけないデメリットもあるのです。
私は以前大学職員の国際交流課で働いており、交換留学の相談窓口の担当もしていました。
今回は元大学職員の私が、大学の交換留学制度のメリットとデメリットをお伝えしたいと思います。
大学の交換留学のメリットとデメリットは?元大学職員が紹介
それではまず、交換留学のメリットについてお話しましょう!
交換留学のメリット
1.海外の大学の授業が受けられる
何と言っても交換留学の最大のメリットは、半年もしくは一年間という短い期間の中で、現地の学生と一緒に授業を履修できることでしょう。
語学留学では、外国人学生と一緒に英語を学ぶことが目的となりますが、交換留学制度では、現地の大学生と一緒に、英語で自分の好きな科目の授業の勉強ができます。
交換留学生は現地の大学生よりは、優遇されず取れない科目も少しあるようですが、それでも現地の大学で授業を受けられるというのは魅力です。
2.英語力が飛躍的に伸びる
現地の大学生と同じ授業を受け、レポート作成や課題をこなしていくうちに、飛躍的に英語力を伸ばすことができます。
実際に学生が作成したレポートを見せてもらったのですが、
「これ1冊で本になるんじゃない?」
と思うくらい分厚いレポートを作っていました。
しかも成績の評価も日本人だからといって、優遇は一切されず現地の学生と同じように扱われるそうです。
実際に交換留学をした学生は、苦労もしたけれど、そのおかげで英語力が飛躍的に伸びたと話してくれました。
3.授業料がお得になる
交換留学では留学先の大学に、授業料を支払う必要はありません。
日本の大学の授業料のみ支払う必要があります。
私が働いていた国立大学の1年間の学費は、約50万円。
交換留学先のオーストラリアの大学の1年間の学費は、履修する授業にもよりますが、約200万円。
約150万円も費用を抑えることができます。
このように、留学先の大学の授業料が、日本の大学の授業料よりも高い地域へ留学する場合は、交換留学の方が費用が安くすみます。
留学する国や大学によっては、さらに高くなってしまう所もあるかもしれないので、一概には言えませんが、一般的には授業料がお得になることが多いです。
4.単位認定制度がある
冒頭で少し説明しましたが、交換留学では留学先で修得した単位が、日本の大学での修得単位と認められる単位認定制度があります。
海外で勉強した科目を、日本の大学の単位として認められたら嬉しいですよね。
ただし、こちらも日本に在籍する大学によって、
「自由科目には認定されるけれど、教養科目としては認定しない」
など決まりがありますので、ご注意ください。
これについては、後ほどデメリットのところでお話しますね。
5.留年せずに卒業できる可能性がある
交換留学制度は大学に在学しながら、留学をできるプログラムです。
ですので、卒業単位を取得し卒論を提出すれば、留年せずに卒業できる可能性があるのです。
「帰国後は就職活動に不利にならないよう、留年せずに卒業したい」
という人にとっては交換留学はとても良いプログラムです。
ただし、日本の在籍大学の学部によって、交換留学時に必修科目を取らなくてはいけないなどの注意点があります。
注意点については、後ほどデメリットのところでお話しますね。
それでは、次に交換留学のデメリットについてお伝えしたいと思います。
交換留学のデメリット
交換留学のデメリットは以下のようなものです。
1.一定の語学力がないと留学先の大学の授業が受けられない
どこの国に交換留学をする場合でも、大学が指定する語学力の基準を超えないと、留学先の大学の授業を受けることはできません。
その場合、大学に付属する語学学校、語学堂(韓国の場合)で語学力を上げ、一定の語学力の基準を越えれば、留学先の大学の授業を受けることができます。
その指定される語学力の基準が結構高いんですよね。
ですので、1年の交換留学の場合、ほとんどの学生が最初の半年は語学学校、残りの半年は正規の授業を履修するケースが多いです。
確かに語学力がないと、留学先の授業についていけないので仕方がないのですが、せっかくの交換留学を利用する機会です。
これから交換留学をするあなたには、ぜひ大学が指定する語学力の基準を超えて、留学先の大学の授業を受けてもらいたいなと思います。
2.単位認定制度はあるが、事前の確認が必要
単位認定制度はあるのですが、一部の大学では、
「自由科目には認定されるけれど、教養科目としては認定しない」
などのルールがありまます。
そのルールは、大学によって違うので、留学先大学で取得した単位の認定方法については、事前に担当部署に必ず相談してください。
私の大学では、単位認定制度については、教務グループに確認をするよう学生に伝えていました。
実際、教務に確認をせずに交換留学をしてしまった為に、留年する可能性が出てしまった学生が何人かいました。
単位がどのように認定されるかは、卒業に関わること大切なことなので、必ず事前に確認をして下さいね。
3.留年する可能性もある
先ほどメリットのところで、留年せずに卒業できる可能性があるとお伝えしましたが、逆に留年してしまう可能性もあります。
留年してしまう可能性があるのは、以下の3つのケースです。
1.交換留学中の単位が認定されず、卒業に必要な単位(124単位)を取得できなかった
先ほどもお伝えしましたが、教養科目に認定されるか、自由科目に認定されるかは大学によって違います。
また単位が認定されるかは、担当の教授または教務グループの判断となります。ですので、
「絶対に留年はしたくない」
という方は、交換留学期間を除く3年もしくは3年半の間に、卒業に必要な単位を全て取得することをおすすめします。
2.交換留学に行くために、必修科目が取れなかった
特に理工学部の学生からよく聞かれた質問が、
「交換留学期間中に必修科目を取らないといけない場合、どうすれば良いか?」
というものです。
その場合、必須科目を取らなくて良い時期に留学するか、必修科目を担当している教授に相談をする必要があります。
先生によっては、交換留学で必修科目に参加できない分、スカイプで対応したりする場合もあるようですので、必ず事前に相談をして下さい。
3.交換留学の為に卒論が提出できなかった
大学4年生の時に交換留学する場合は、卒論を提出できないケースがあるかと思います。
その場合も、メールでの提出でも良いか事前に担当教員に確認をする必要があります。
留学に積極的な先生ほど、柔軟に対応してくれるようですので、必ず留学が決定する前に相談をしてくださいね。
それでは、最後に交換留学のメリットとデメリットについて、まとめておきましょう。
まとめ
交換留学のメリットは、
- 海外の大学の授業が受けられる・・・半年もしくは一年間という短い期間の中で、現地の学生と一緒に授業を履修できる。
- 英語力が飛躍的に伸びる・・・海外の大学で授業を履修し、レポート作成や課題をこなすことで、飛躍的に英語力を伸ばせる。
- 授業料がお得になる・・・留学先の大学や国にもよるが、授業料が安く済む場合が多い。
- 単位認定制度がある・・・留学先で修得した単位が、日本の大学での修得単位と認められる単位認定制度がある。
- 留年せずに卒業できる可能性がある・・・卒業単位を取得し卒論を提出すれば、留年せずに卒業できる可能性がある。
というものでした。
逆に交換留学のデメリットは、
- 一定の語学力がないと留学先の大学の授業が受けられない・・・基準を超えるまでは、語学学校で勉強する必要がある。
- 単位認定制度はあるが、事前の確認が必要・・・「自由科目には認定されるけれど、教養科目としては認定しない」などのルールがあるので、必ず事前に確認する。
- 留年する可能性もある・・・交換留学に行った為に、卒業に必要な単位(124単位)を取得できなかった、必修科目が取れなかった、卒論が提出できなかった、などのケース
というものでした。
これから交換留学を考えているあなたには、メリットとデメリットをよく検討した上で、早めに準備をすることをおすすめします。
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